顧問紹介(五十音順)
池田守男(いけだ・もりお)
資生堂相談役
香川県高松市生まれ。
資生堂社長、会長を経て06年6月から現職。
その他、内閣府公益認定等委員会委員長、東洋英和女学院理事長兼院長などを務めている。
これまで経団連の評議委員会副議長、社会貢献推進委員長、少子化対策委員長、東京商工会議所の副会頭などを歴任。
日本人は、ずいぶんと長い間、競争社会を走り抜けてきました。個人も、企業も、社会も、競うことをエネルギー源にして、大きな経済成長を遂げました。しかし、その一方で、大切なものを置き去りにしてきた気がします。それは、「他者を思いやる心」や「社会のためにという精神」です。他者に尽くし、地域社会に奉仕することは、「義務」ではなく、私たち一人ひとりに与えられた「権利」だと思います。「権利」として、サーバントに徹することができたとき、私たちは「喜び」を感じることができます。その出発点は、「隣人愛の精神」です。この精神を持ち、思いやりに溢れた温かい社会を実現できれば、と願っています。
大竹美喜(おおたけ・よしき)
アフラック(アメリカンファミリー生命保険会社)創業者・最高顧問
1939年広島県生まれ。
大学卒業後、米国留学。1974年にアフラック日本社を創業し、日本で初めてがん保険の販売をスタートさせた。副社長、社長、会長を経て2003年から現職。
公益社団法人経済同友会幹事、社団法人ニュービジネス協議会副会長、社会福祉法人東京都社会福祉協議会会長、国立大学法人筑波大学経営協議会委員を歴任。
現在、公益財団法人国際科学振興財団会長、国立大学法人広島大学特別顧問他、多数の団体の役職について活動をするかたわら、高校生、社会人を対象とした次世代の人材育成にも注力している。
世界は全員参加型の時代に突入していますので、今、最も求められるリーダーは「奉仕する」という理念、哲学をもったサーバントリーダーであると思います。
先んじて人に仕え、犠牲と献身の中で自然に湧き出る権威のもとリーダーシップを発揮し、導いていくこと。
国難の時代を迎えた日本国にあって、この哲学、思想を注入することが急がれます。
そこで是非ともこの精神をもったリーダーを日本で広め、よりよい社会とすべく活動してまいりたいと思います。
金井壽宏(かない・としひろ)
神戸大学大学院経営学研究科教授
1954年神戸市生まれ。
1978年京都大学教育学部卒業。MIT(マサチューセッツ工科大学)でPh.D.(マネジメント)、神戸大学で博士(経営学)を取得。
変革型のリーダーシップ、創造性となじむマネジメント、働くひとのキャリア発達、次期経営幹部の育成、組織エスノグラフィーなど組織研究方法論が主たるテーマとしている。
主著:『変革型ミドルの探求』(白桃書房、91年)、『企業者ネットワーキングの世界』(白桃書房、94年)、『経営組織』(日本経済新聞社、99年)、『働くひとのためのキャリア・デザイン』(PHP研究所、02年)、『仕事で「一皮むける」――関経連「一皮むけた経験」に学ぶ』(光文社、02年)、『キャリア・デザイン・ガイド』(白桃書房、03年)、『企業文化――生き残りの指針』(白桃書房、監訳、04年)、『リーダーシップ入門』(日経文庫、2005)など多数。
グリーンリーフ氏の主著を監訳する機会もあり、また、資生堂の池田守男氏とサーバント・リーダーシップの書籍を著す機会もかつてあったので、この度、日本サーバント・リーダーシップ協会の顧問を仰せつかりました。ジョゼフ・ジャウォースキーのアメリカン・リーダーシップ・フォーラムもサーバント・リーダーシップを基礎においていますが、彼の伝記的著作を監訳する機会もあり、非常に興味あるオルターナティブとして、サーバント・リーダーシップというリーダーの出来方、スタイルに深い興味があります。
関西にいること、年齢層ゆえに(ベテラン組に入るようになって)神戸大学での学務が多忙であることから、時間的・物理的にはあまり貢献できないかもしれませんが、著作、教育・研修・啓蒙を通じて、わが国における日本型サーバント・リーダーの勃興に寄与したいと思っております。
鈴木寛(すずき・かん)
参議院議員 民主党政策調査会副会長
1964年兵庫県生まれ。
東京大学法学部卒業。通商産業省、シドニー大学特別研究員、山口県工業振興課長などを経て、中央大学総合政策学部兼任講師、慶應義塾大学SFC助教授。2001年参議院議員東京選挙区で当選。2007年再選。同年9月、倫理・選挙特別委員会委員長に就任。鳩山由紀夫内閣・菅直人内閣で文部科学副大臣に就任(2009年9月から2011年9月まで)。中央大学大学院公共政策研究科客員教授 も務めるほか、東京大学、大阪大学でも教鞭をとる。著書は「熟議で日本の教育を変える」「中央省庁の政策形成過程」など多数。
私の座右の銘の一つに、「自他共栄」があります。また、「ある問題に対して関心を有する当事者が熟慮し議論することにより、問題を共有し、解決策を見いだす」熟議の普及に私は取り組んでいます。これらは、ともに「サーバントリーダーシップ」に繋がる思想です。
まさしく、サーバントリーダーシップの普及は、私のライフワークの一つです。